2026.05.27
日本政府は「ナフサは足りている」と言っているのになぜ現場では材料が手に入らないのか

ニュースなどで、政府や業界団体から
「ナフサの供給量は確保されている」という発表が出ることがあります。
しかし実際の製造現場では
・原料納期の遅延
・副資材不足
・一部製品の長期欠品
が起きることがあります。
ではなぜ「原料は足りている」と言われているのに、現場では材料が不足するのでしょうか。
①:そもそもナフサとは?
ナフサは、原油を精製して作られる石油化学原料です。
ここから
・ポリエチレン(PE)
・ポリプロピレン(PP)
・塩ビ(PVC)
など、さまざまな樹脂が製造されます。
つまりナフサはプラスチック製品の“出発点”となる材料です。
②:「ナフサが足りている」=「すべて問題ない」ではない
ここが非常に重要なポイントです。
ナフサそのものの供給量が確保されていて、実際の製品になるまでには 多くの工程と企業が関わっています。
例えば
原油
↓
ナフサ
↓
樹脂メーカー
↓
コンパウンドメーカー
↓
加工メーカー
↓
副資材メーカー
↓
製品化
という流れです。
つまり、どこか一つでも滞ると、現場では「材料不足」として現れます。
③:実際に現場で起きていること
弊社でも
・コンパウンド材の納期遅延
・接着剤の入荷不安定
・クラフトテープの欠品
などが発生しています。
特に、以前であればネットショップで普通に購入できていた副資材が長期間「売り切れ」になるケースも見られます。
これは単純に「材料がゼロ」というより
・物流の偏り
・生産調整
・原材料配分の変化
・在庫確保の動き
など、複数の要因が重なって起きています。
④:海外工場の影響を受けるケースもある
もう一つ見落とされがちなのが、材料製造のグローバル化です。
例えば、日本国内ではナフサが足りていても
・海外工場でコンパウンド製造している
・原料の一部を海外で加工している
・場合、その国の原料事情や物流状況の影響を受けます。
つまり
👉 「日本国内のナフサ供給は安定している」
👉 しかし海外工場側では原料不足や生産調整が起きている
というケースもあり得ます。
結果として、日本国内では原料があるように見えても、実際のコンパウンド材や加工済み材料の供給が不安定になることがあります。
④:副資材は意外と“石油依存”している
見落とされがちですが
・接着剤
・テープ類
・梱包資材
なども、多くが石油由来です。
つまり、プラスチック原料だけでなく、製造や出荷に必要な周辺資材も影響を受けます。
結果として
👉 成形はできる
👉 しかし出荷準備ができない
という状況も起こり得ます。
⑤:なぜ急に品薄になるのか
材料不足は、必ずしも「絶対量不足」だけが原因ではありません。
例えば
・将来不安による先行発注
・一時的な在庫積み増し
・特定商品の注文集中
などによって、需給バランスが急変することがあります。
その結果
「メーカー在庫はあるが、流通在庫がない」
という状態も起きます。
⑥:こういう時代だからこそ重要になること
こうした環境では
・複数材料の検討
・副資材代替の準備
・設計段階での柔軟性
が重要になります。
特にブロー成形では
・中空構造による材料削減
・肉厚調整
・材料変更への対応
など、比較的柔軟な設計が可能です。
まとめ
「ナフサは足りている」という状況でも、現場では材料や副資材不足が起こることがあります。
その理由は
・供給チェーンの多段化
・コンパウンドや副資材への波及
・海外工場の原料事情
・物流や在庫バランスの変化
など、さまざまな要因が関係しているためです。
製造業では原料そのものだけでなく、“周辺資材まで含めた安定供給”が重要になっています。
最後に
環境変化が大きい時代だからこそ
・材料選定
・設計見直し
・代替提案
の重要性はますます高まっています。
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加藤