軟質塩ビ製品の向き不向き
2026.02.06

軟質塩ビ(軟質PVC)は、非常に使いやすい材料です。
しかし一方で、
使用環境を考慮せずに材料を選んでしまうと、トラブルにつながることもあります。
本記事では、
軟質塩ビが「向いている用途」と「向かない用途」を
使用環境の観点から整理して解説します。
まず大前提として、
軟質塩ビは非常にバランスの取れた材料ですが、
すべての環境に適しているわけではありません。
・温度
・紫外線
・接触物質
・使用年数
こうした条件によって、
向き・不向きがはっきり分かれる材料です。
軟質塩ビが向いている使用環境:用途:室内・屋内で使用される製品
軟質塩ビは、
直射日光や雨にさらされない環境では非常に安定しています。
・室内用機器部品
・工業用カバー・ダクト
・収納・保護用途の中空品
長期間使用しても、
柔軟性や形状を比較的維持しやすいのが特徴です。
人が触れる・握る用途
軟質塩ビは手触りが柔らかい、冷たさを感じにくい、ゴムほどベタつかない
といった性質があり、人が直接触れる製品に向いています。
グリップ部品やカバー類など、「使い心地」が求められる製品では強みが出ます。
中空構造で柔軟性が必要な製品
ブロー成形による中空構造と軟質塩ビの組み合わせは、
・押されても潰れにくい
・元に戻る復元性がある
衝撃を吸収しやすいという特長があります。
そのため
保護部材・緩衝用途にも適しています。
軟質塩ビが向かない使用環境・用途
①:高温環境で使用される製品
軟質塩ビは、高温環境では物性が大きく変化します。
・変形しやすくなる
・柔らかくなりすぎる
・寸法が安定しない
特に、常時高温になる場所や、温度変化の激しい環境では注意が必要です。
②:屋外で長期間使用される用途
紫外線は、軟質塩ビにとって大きな負荷となります。
・変色
・硬化
・表面劣化
屋外使用が前提の場合、
材料配合や対策を十分に検討しないと、
想定より早く劣化するケースがあります。
③:薬品・油分と接触する環境
軟質塩ビは接触する物質によっては影響を受けます。
・可塑剤の移行
・表面のベタつき
・物性低下
特定の油類・溶剤と接触する用途では、
事前の確認や試験が不可欠です。
「向かない」=「使えない」ではない
ここまで「向かない用途」を挙げましたが、
これは完全に使用不可という意味ではありません。
・材料配合を調整する
・使用条件を限定する
・形状・肉厚を工夫する
といった対応によって、
軟質塩ビが成立するケースも多くあります。
重要なのは、
使用環境を正しく把握した上で検討することです。
まとめ
軟質塩ビは、
・室内用途
・人が触れる製品
・中空で柔軟性が必要な部品
に非常に向いている材料です。
一方で、
・高温
・屋外長期使用
・薬品接触
といった環境では、
慎重な検討が求められます。
材料選定の段階で使用環境を整理することが、
成形後のトラブルを防ぐ最大のポイントです。
ダイレクトブロー成形は、軽量・中空・一体化というキーワードに強みを持つ成形法です。
高精度や意匠性を求める部品には不向きですが、強度・コスト・生産性のバランスに優れた中空製品には最適な選択肢です。
北海化成工業では、これまでの経験を活かし、材質選定・金型設計・試作調整まで一貫対応しております。
中空ブロー製品のご相談はぜひお気軽にお問い合わせください。
加藤