ブロー成形品の後加工って?
2026.08.17

ブロー成形というと、溶かした樹脂を金型の中で空気によって膨らませ、製品の形を作るところまでをイメージされる方が多いと思います。
しかし、実際のブロー成形品は金型から取り出した時点で完成とは限りません。
製品によっては
・不要部分をカットする
・穴をあける
・穴の寸法を整える
・バリを除去する
といった「後加工」を行って、初めて完成品になります。
今回は、ブロー成形品で行われる代表的な後加工についてご紹介します。
そもそも「後加工」とは?
後加工とは、ブロー成形によって作られた製品に対して、成形後に行う追加加工のことです。
ブロー成形では中空形状を一体で作れるという大きなメリットがありますが、製品の形状や用途によっては、成形だけですべての形状・寸法を作ることが難しい場合があります。
そこで後加工を組み合わせることで、最終的にお客様が必要とする製品形状へ仕上げていきます。
① 袋カット
ブロー成形では、製品によって「袋」と呼ばれる不要部分が発生することがあります。
成形時には必要な部分ですが、完成品には必要ありません。
そこで成形後に、この袋部分をカットして製品形状に仕上げます。
一見すると単純な作業に思えますが
・カットする位置
・切断面の仕上がり
・製品を傷つけないこと
などに注意が必要です。
特に軟質塩ビやエラストマーなどの柔らかい材料では、製品自体が変形しやすいため、材料の特性を考えながら加工する必要があります。
② 穴あけ加工
ブロー成形品では、成形後に穴あけ加工を行うこともあります。
例えば
・部品を取り付ける穴
・空気を通す穴
・配管を接続する穴
・固定するための穴
などです。
「それなら最初から金型で穴を作ればいいのでは?」
と思われるかもしれません。
しかしブロー成形では、中空の製品を膨らませて作るという成形方法の性質上、穴の位置や形状によっては成形後に加工した方が作りやすく、寸法も管理しやすい場合があります。
そのため、製品の設計段階から「どこまで成形で作り、どこから後加工するか」を考えることが重要です。
③ リーマー加工
穴あけ加工と似ていますが、より寸法精度が必要な場合に行われるのがリーマー加工です。
ドリルなどで穴をあけただけでは、求められる内径寸法や仕上がりにならない場合があります。
そこでリーマーと呼ばれる工具を使用して穴の内面を削り、目的の内径寸法に仕上げます。
例えば、別の部品を差し込む製品では、穴がわずかに小さいだけでも部品が入らず、逆に大きすぎればガタつきの原因になります。
特にブロー成形品は中空構造であるため、必要な部分だけを後加工することで、ブロー成形のメリットを活かしながら必要な寸法精度を確保することができます。
④ バリ取り・仕上げ加工
ブロー成形では、金型の合わせ面などにバリが発生することがあります。
そのため成形後には
・バリ取り
・切断面の仕上げ
・外観確認
などを行います。
製品によっては人が直接触れる部分もあるため、単に形を整えるだけでなく、安全性や使いやすさを考えた仕上げも重要になります。
後加工にも「治具」が重要
袋カットや穴あけ、リーマー加工などを安定して行うために重要なのが治具(じぐ)です。
治具とは、加工する製品を決められた位置に固定したり、工具を正しい位置へ案内したりするための道具です。
例えば穴あけ加工の場合、作業するたびに位置を測っていては
・穴位置がばらつく
・作業時間が長くなる
・品質が安定しにくい
といった問題が発生します。
製品に合わせた治具を使用することで、同じ位置・同じ条件で繰り返し加工しやすくなり、品質と作業効率の両方を高めることができます。
「成形+後加工」で製品は完成する
ブロー成形会社の仕事は、単に成形機から製品を取り出すだけではありません。
製品によっては
ブロー成形
↓
袋カット
↓
穴あけ
↓
リーマー加工
↓
バリ取り・仕上げ
↓
検査
↓
完成
というように、いくつもの工程を経てお客様へ納品されます。
ブロー成形と後加工を組み合わせることで、成形だけでは難しい形状や寸法にも対応できる可能性が広がります。
まとめ
ブロー成形品には、製品に応じてさまざまな後加工が行われています。
代表的なものとして
・袋カット
・穴あけ
・リーマー加工
・バリ取り・仕上げ加工
などがあります。
そして、これらの加工を安定して行うためには、製品に合わせた治具や加工方法の工夫も重要です。
ブロー成形は「膨らませて終わり」ではありません。
成形技術と後加工技術を組み合わせて、初めてお客様が求める製品になる。
これもブロー成形品づくりの面白さの一つです。
最後に
北海化成工業では、ブロー成形だけでなく、袋カット、穴あけ、リーマー加工など、製品に応じた後加工まで含めた製品づくりを行っています。
特に軟質塩ビやエラストマーなどの柔らかい材料では、成形だけでなく後加工にも材料特性に合わせたノウハウが必要になります。
「ブロー成形した後に穴加工までお願いしたい」
「この形状は成形と後加工を組み合わせれば作れるだろうか」
といったご相談も、ぜひお気軽にお問い合わせください。