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気温低下とブロー成形

  • お知らせ

2026.08.31

 

 

少しずつ秋めいてきましたが、気温が低くなるにつれて、実はブロー成形にもさまざまな影響が出てきます。

 

工場内で使用している成形機は同じ、金型も同じ、材料も同じ。

それなのに、夏と冬ではまったく同じ条件で成形できるとは限りません。

 

ブロー成形は樹脂を加熱して柔らかくし、空気で膨らませた後、金型で冷却して製品を作る加工方法です。

そのため、気温や水温など周囲の環境変化も成形条件に影響するのです。

 

回は、気温が低下するとブロー成形にどのような変化が起こるのかをご紹介します。

 

① 金型の温度が変わる

気温が下がると、当然ながら金型自体の温度も低くなりやすくなります。

ブロー成形では、溶けた樹脂を金型の内側に密着させ、金型内部を流れる冷却水によって冷やして固めます。

 

夏場と冬場では金型の初期温度や冷却水の温度が異なるため、樹脂が固まるまでの時間にも違いが出ます。

冷却が速くなることは生産性の面ではメリットになる場合もありますが、必要以上に急激に冷却されれば、製品の収縮や外観、寸法などに影響する可能性があります。

そのため季節に応じて、冷却条件を確認することが重要です。

 

② パリソンの状態にも影響する

ブロー成形では、成形機から押し出された筒状の樹脂を「パリソン」と呼びます。

このパリソンを金型で挟み、内部に空気を吹き込んで製品形状に膨らませます。

 

気温が低くなると、押し出されたパリソンの表面から熱が奪われるスピードも変わります。

 

特にパリソンが長い製品や複雑な形状では、わずかな温度変化が

  • ・樹脂の伸び方
  • ・肉厚
  • ・金型への密着
  • ・製品外観

などに影響することがあります。

 

そのため、気温の変化に合わせて樹脂温度や押出条件、パリソンコントロールなどを調整する必要があります。

 

③ 軟質塩ビは気温による「硬さ」の変化にも注意

 

軟質塩ビ(軟質PVC)も気温の影響を受ける材料です。

軟質塩ビは可塑剤を配合することで柔軟性を持たせていますが、一般的に温度が下がると硬くなり、温度が上がると柔らかくなる傾向があります。

そのため、同じ製品でも夏と冬では、手で触ったときの感触が多少違って感じられることがあります。

 

また、低温環境で使用される製品の場合には、単に「軟質塩ビだから柔らかい」と考えるのではなく、実際に使用される温度を考慮した材料選定が重要になります。

用途によっては耐寒性を考慮した配合を検討することもあります。

 

④ 冷却水の温度も変化する

以前の記事「ブロー成形に欠かせない水・空気・油」でもご紹介したように、ブロー成形では金型を冷却する水が重要な役割を担っています。

外気温が下がれば、水温にも影響が出ます。

夏場には水温が上昇しやすく、冬場には低下しやすくなるため、同じ量の水を流していても冷却能力が変わることがあります。

 

ブロー成形では、

樹脂を溶かす(柔らかくする)「加熱」と、製品を固める「冷却」

この二つのバランスが非常に重要です。

 

⑤ 油圧機器も気温の影響を受ける

ブロー成形機では、金型の開閉などに油圧を使用する機械も多くあります。

油は温度によって粘度が変化します。

 

気温の低い朝、機械を動かし始めた直後と、しばらく運転して油温が上昇した後では、機械の動きに違いが出ることがあります。

そのため冬場は特に、機械が十分に安定した状態になっているかを確認しながら生産を開始することも大切です。

 

⑥ 空気にも季節があります

ブロー成形の「ブロー」は、圧縮空気を吹き込んで樹脂を膨らませる工程です。

 

秋から冬にかけて気温が低下すると、空気中に含むことのできる水分量も変化します。

 

コンプレッサーで圧縮された空気は配管内で冷却されることで結露が発生する場合もあるため

  • ・エアードライヤー
  • ・ドレン
  • ・フィルター

などの管理も重要です。

 

つまり、ブロー成形では水・空気・油のすべてが季節の影響を受けることになります。

 

季節が変われば成形条件も確認する

ブロー成形では、一度条件を決めたら一年中そのままで良いとは限りません。

 

特に季節の変わり目には

  • ・樹脂温度
  • ・パリソンの状態
  • ・金型温度
  • ・冷却水温
  • ・エアーの状態
  • ・油温

 

などを確認しながら、必要に応じて微調整を行います。

こうした小さな調整の積み重ねが、季節が変わっても安定した品質を維持することにつながります。

 

 

まとめ

秋から冬へ向かって気温が下がると、人間が衣替えをするように、ブロー成形の現場でも少しずつ環境が変化します。

同じ材料、同じ金型、同じ成形機を使っていても、周囲の温度が変われば成形状態も変化する可能性があります。

 

だからこそ

「昨日までこの条件で問題なかったから今日も大丈夫」ではなく、その日の状態を確認すること。

これも安定したブロー成形品を作り続けるための大切な仕事の一つです。

 

北海化成工業では、軟質塩ビをはじめとするさまざまな材料の特性と季節による変化を見ながら、成形条件を調整し、年間を通して安定した製品づくりに取り組んでいます。

ブロー成形や軟質塩ビ、エラストマーなどの材料に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。